ぼくもバスケットボール部だったのでとっても気持ちがわかるんですが、中高生のトレーニング指導にいくと、(とくに男の子に)聞かれることの大半が、
- どうしたらジャンプ力高くなりますか?
- どうしたら足が速くなりますか?
このどちらかです。
指導先の大半がバスケかバレーだから余計にそうなんだと思うんですけど。
成長期のこの時期は、とくに男の子は体型に大きな違いがあって、発育の早い子と、遅い子とで、どうしてもフィジカルに大きな差があります。
友達はリングに指先がひっかかるくらい跳べるのに、自分はネットに指先すら届かない…
そんな悔しい思いをしている部活動生も少なくないと思います。
成長過程にある中学生(高校生も)は、身体の成長に個人差もあるので、「ジャンプ力がなかなか伸びない!」といっても、今やるべきことは同じようで違います。
ただ、共通しているところももちろんあるので、今回はジャンプ力がのびないと悩んでいる未来のトップアスリートのために書いてみます!
ジャンプ力はジャンプで伸ばす
トレーニングの鉄則!
「上達したいことをひたすら頑張る」以上の効果的な方法はありません。
『特異性の原理』とも言われていますが、高くジャンプする練習を繰り返すから、ジャンプ力は向上します。
ほかにもいろいろなことが必要ですが、『高くジャンプする』練習をしないでジャンプ力を高くしようとは考えちゃいけません。
バスケットボール部なら、まずはリングのネットに手が触れられるように全力ジャンプの練習を繰り返しましょう。
それができたら今度は、バックボードをタッチすることを目標にジャンプを繰り返しましょう。
そして、リングを掴むことを目標に高くジャンプしましょう。
- リングネット
- バックボード
- リング
こうやって少しずつ、目標を高くして常に全力でジャンプする練習をしていくことがまず鉄則です。
これをやらなかったら、他のどんなトレーニングを試してもジャンプ力は伸びません。
中学生のうちにジャンプの正しいフォームを身につけよう
ジャンプで重要なのは、フォームです。
フォームがきたないと、ジャンプした時の怪我のリスクが高くなります。
とくに怪我が多いのは、ジャンプの着地の瞬間です。
中学生のうちから、正しい着地を心がけてジャンプトレーニングを行うと、怪我のリスクも減ります。
ジャンプ力の向上はもちろん、正しい着地ができるようになると、ジャンプした後の次の動作にもスムーズに移りやすくなります。
ということは、ジャンプ以外の他のパフォーマンスも上がるわけです。
正しい着地のテクニックを身につけるのは、高くジャンプするのと同じくらい重要です!
正しいジャンプの着地って?
ひとことで言えば、「体に負担のかからない着地」が正しいジャンプの着地です。
足首・膝・股関節を柔らかく曲げて、ソフトな着地を心がけてみましょう。
着地した瞬間に『ダンッ!』とか『ドンッ!』って大きな音が鳴らなければ、うまくソフトな着地ができている可能性が高いです。
筋トレをプラスするとよりジャンプ力が伸びる
すでに高くジャンプする練習をしているなら、それに加えて筋トレをやってみてください。
ジャンプ+筋トレ
これで、ジャンプ力はより伸びやすくなります。
ここで注意したいのは、どのくらいの負荷をかけるのか?
これは、今の筋力やトレーニングの経験値によって個人差があります。
中学生なら、ほとんどの場合はまともな筋トレの経験はないと思います。筋力も成人に比べればまだまだ。
だからといって、焦る必要は一切ありません。筋肉は大人になってからでもいくらでもつけることができます。
それよりも、ジャンプの正しいフォームを身につけたり、正しい着地を体に覚えこませて、長くプレーできる選手になりましょう。
なのでまずは、筋トレもフォーム重視です。ダンベルもバーベルも使わず、自分の体重だけを負荷にするところから始めてみましょう。
このくらいの負荷でも、きちんと日々の練習をして、ジャンプトレーニングもして、しっかり栄養をとって、しっかり寝れば、ちゃんとジャンプ力は上がっていきます!
意外に重要な『上半身のパワー』
ジャンプで主に使われる筋肉は下半身の筋肉です。
ただ、上半身が使われないわけじゃないんです。
ためしに、『気をつけ』の姿勢のまま下半身だけでジャンプしてみましょう。
そのあと、腕を大きく振って、ジャンプしてみましょう。
腕を振ってジャンプしたほうが、高く、楽にジャンプできるはずです。
腹筋が大切。
体幹を強くするとジャンプ力が伸びる。
懸垂がいい。
いろいろな説がありますが、ある意味全部正しいです。
最大までジャンプ力を伸ばすには、下半身だけの強化だと不十分なんです。
なので、筋トレにも下半身だけでなく上半身の筋トレを取り入れることをおすすめします。
これもはじめは軽い負荷で全然だいじょうぶです。
- 腕立て伏せ(上半身前面の筋トレ)
- ななめ懸垂(上半身背面の筋トレ)
このあたりが、簡単でおすすめです!
筋肉の柔軟性がジャンプ力に大きく関わる
「ストレッチ好き?」
こう聞くと、男子10人のうち9人は「嫌い」と答えます。
ちなみに私も嫌いですw
でも、好きなことだけやってさえいれば伸びるなんて、ジャンプ力はそんな甘っちょろいモノじゃありません。
筋肉はゴムのような性質を持っています。
知っての通り、ゴムは強く伸ばせば伸ばすほど、その威力が強くなります。
筋肉も同じようなモノです。
柔軟性があれば、筋肉をしっかり伸ばすことができます。
そうすることで、より強いパワーを出すことができるんです。
「180°開脚して、頭を床にベタッとつけるくらいになれ!」
とまでは求めません。
ただ、ジャンプ力を向上させたかったら、柔軟性の向上は必須です。
寝る子は育つ!ジャンプ力も!
寝ることで成長ホルモンが大量に分泌されます。
『成長ホルモン』は、身長を伸ばしたり、肉体を強くするためには絶対的に必要なホルモンです。
成長期にある中高生アスリートにとって、成長ホルモンはとても重要な役割を持っています。
夜更かしばかりして睡眠が不足していると、この成長ホルモンが十分に分泌されません。
トレーニングによって酷使されたカラダもしっかり回復させることができず、
身長も本来伸びるべき最大限まで伸ばす可能性を奪ってしまいます。
身長も、ジャンプ力も伸ばしたかったら、
1日8時間の睡眠を心がけましょう。
朝6時に起きるなら、22時には寝なきゃいけません。
これが中高生にとって簡単なことではないことは、10年前に青春時代を経験した私にも十分わかっていますww
さらに、
夜遅くまで練習をやっている部活だったり、通学に時間がかかったり、
加えて朝練があるとなかなか難しいです。
それでも、平日は最低6時間は睡眠時間を意地でも確保しましょう。
休日は絶対に8時間寝られるようにしましょう。
簡単でないから、全員はやれません。
だから、実力に差が出るんです。
やり続けた人間だけが、大きな効果を出してジャンプ力を向上させ、パフォーマンスを高めることができます。
バスケットボールの『神様』Michael Jordanの専属トレーナーを長年勤めたトレーナー、Tim Groverもこう言っています。
『何か大きなことを成し遂げるには、
それだけの犠牲を払わなくてはならない』
その覚悟、ありますか?
ジャンプ力向上を願う中学生の皆さんはぜひ、Tim Groverの著書『JAMP ATTACK』もあわせて読んでみてください。